1(中)アキレスと亀
2(左)双子のパラドクス
3(一)テセウスの船
4(三)シュレディンガーの猫
5(右)哲学的ゾンビ
6(遊)マクスウェルの悪魔
7(二)ヘンペルのカラス
8(捕)ラプラスの悪魔
9(投)パブロフの犬
(控え)無限の猿定理
1アキレスと亀
これは別名ゼノンのパラドクスと呼ばれていて、概要はアキレスという俊足の人間が亀という鈍足の生き物を追いかけることを考えたときにアキレスは亀に追いつけないというものや
その理屈は、アキレスが10mすすんだときに亀は1mすすんでいてアキレスが1mすすんだときに亀は10cmすすんでいてアキレスが10cmすすんだときに亀は1cmすすんでいて、…というように無限にアキレスがどれだけ進んでいても亀も進んでいるという論理やな
結果だけ見ると明らかに間違った理屈なのにこの論理を論破することが難しいからパラドクスと呼ばれているで
実際現代の知識でこの理論を考えてみると無限の取り扱いが発展した現代の数学において論破されているんや
2双子のパラドクス
これは相対性理論で有名なアインシュタインが自身で提唱したパラドクスや
双子の兄と弟のうち兄をある速さをもって運動させることを考えるとき、特殊相対性理論によると、兄の方が若くなるという結果が得られる。しかし兄からみれば弟がある速さをもって運動しているともみることができるのでそう考えると弟の方が若くなるはずや
このようにどちらから観測するかによってどちらが若くなるかが変わってしまうというパラドクスが双子のパラドクスやが、これは一方が再度出会うためには速さの向きを変える必要がありその場合慣性系ではなく加速系で考えなければならないということでパラドクスは解消されるんや
難しいこといったが要は相対性理論のなかでのよくある間違いみたいな話やな
3テセウスの船
修理のたびに古いパーツを新しいパーツに変えていき元々のパーツが無くなった船が元の船と同一と言えるかっていう話がテセウスの船や
同一性の議論のなかで提唱された例え話
4シュレディンガーの猫
量子力学によると物体は観測しない限りさまざまな状態の重ね合わせとして存在するんやが、そんなことありえへんやろって考えた物理学者のシュレディンガーが考えた思考実験や
量子的な状態と猫の生死をリンクさせた装置を観測できない箱に放り込んだら箱を開けるまで量子力学的には猫は生と死の状態を両立していて箱を開けた瞬間猫の生死が決まるという話
実際には猫ほどのマクロな存在であればなんらかの観測要素によって状態は決定していて、生と死の重ね合わせなんてことは起こってないらしいで
猫ってマクロな存在なんか……
放射性物質よりかはよっぽどマクロやな
5哲学的ゾンビ
ゾンビって言ってもバイオとかにでてくるゾンビではなく人間の体はもってるけど意識を持たないっていう存在や
真っ当な人間ならば何か経験したらそれを意識を通して感じるけど哲学的ゾンビにはそれがない
でも人間の体をもっているから物理的に哲学的ゾンビであるかどうか区別がつかない
つまり哲学的ゾンビという存在を仮定したときに世界は物理的に全て記述できるという唯物論では人間の意識を説明できないから唯物論は誤りであるというのが哲学的ゾンビ論法や
哲学的ゾンビを導入することで唯物論を否定できるということやな
哲学ゾンビは現実には存在できないから
唯物論を否定出来ないと思った
ワイもそう思うけども哲学屋の人たちにその辺におる人間の中に哲学的ゾンビがいないことは証明できないって言われたらその通りやねんな
脳科学が発展しないことには人間の意識ってもんが実際どういうものなのかわからないしな
6マクスウェルの悪魔
マクスウェルの悪魔はざっくりいうと分子の運動を正確に知ることができる仮想的な知性のことで、分子の運動を知り高速の分子と低速の分子を仕分けることで中温の流体から低温の流体と高温の流体を作り出せるんや
これは熱力学第二法則つまり物体は乱雑な方に向かっていくという法則に反していてマクスウェルの悪魔が実際にいれば永久機関を作ることができるねん
実際これはマクスウェルの悪魔の分子の動きを知るという行為が情報的なエネルギーを与えるという行為と等価であるということで否定されたんや
NTTの実験によってマクスウェルの悪魔は実際に検証されて存在はするけどもマクスウェルの悪魔自体がエネルギーを系に与えてるということがわかったらしいで
古典で言うならボディスナッチャーとかそんな感じだと思う
本人と同じ振る舞いをするが本物はすでに死んでいて他人からは存命していると認識される
人間の種族の世界は観測により成り立ってるという例やと思う
7ヘンペルのカラス
カラスは黒いということを証明することを考えるときに対偶論法を取るとするで
「カラスならば黒い」の対偶を取ると「黒くないならばカラスでない」だからこれを証明すればカラスは黒いことを証明できる
でも直感的には、黒くないものを集めてきてそれがカラスでないことを示すことができればカラスは黒いといえるというのはおかしいように感じるやろ
これがヘンペルのカラスというパラドクスや
実際にこの論法で証明するならば黒くないもの森羅万象全てをかき集めてそれがカラスでないことを調べないとあかんから不可能や
対偶論法は全体集合が制限的でないと有効的でないという示唆やな
打線なんだよなあ
8ラプラスの悪魔
この世界のあらゆる物体の位置と運動量を知ることができる知性のことで、そうすれば運動方程式を解いてこの世界の未来が全て予言できるんや
でもこれっておかしい話で、未来を予言できればその予言に反することをすることができるやろ
だからこれもパラドクスとして有名なんや
このパラドクスも量子力学の台頭によって否定されてるんや
量子力学において様々な状態の重ね合わせが起こってて観測によって初めてどの状態かきまるんや
量子力学以前の古典力学においてはボールをこの力でこの方向に投げたらボールは何秒後にここにいるってことは正確にわかる
だからラプラスの悪魔は未来を予言できるんやけど、実際にはボールはちょっとボヤけていて最終的にどこにボールが何秒後にどこにいるかは確率によって決まってしまう
これによってラプラスの悪魔が未来を予言できるということは否定されてしまったんやな
アインシュタインやシュレディンガーといった有名な物理学者も否定したくらいのもんやからな
疑うのもわかるが実験結果と量子力学はなんの矛盾もないから今のところ正しいで
無限の猿定理
人語を理解しない猿にタイムライターを打たせても莫大な回数繰り返せばいつかはシェイクスピアをタイプできるという考えや
といってもアルファベット26文字の大文字小文字とカンマとピリオドとアポストロフィー含めて55文字から例えばmonkeyという6文字の単語を猿が6文字打ったときに打てる確率は0.0000004%ほどやこんな途方もなく小さいのにシェイクスピアのハムレットの全文打とうものなら莫大な試行回数が必要やな
無から時計ができる確率はうんたらかんたらみたいなんなかった?熱力学第二法則の話で
生命が誕生する確率はプールに腕時計を分解してバラバラに投げ込んで水流だけでもとの腕時計になる確率とおなじくらいって話やな
どういう計算してるかわからんけど熱力学第二法則の方向に逆らう確率の方がよっぽど小さそう
ベルクマン・アレンの法則
恒温生物が寒冷地域ほど大型で突起物が小さく温暖地域ほど小型で突起物が大きいという法則やな
筋肉収縮や代謝による発熱は体の体積つまり長さのスケールの3乗に比例して皮膚からの放熱は表面積つまり長さの2乗に比例するから体温調節の観点から寒冷地域ほど発熱の影響が放熱の影響より大きくなるように大型化
して温暖地域ほど発熱の影響と放熱の影響の差が小さくいっぱい放熱できるように小型化するって話や
グロージャーの法則は湿度が高い温暖地域ほど色が暗くなって乾燥してる寒冷地域ほど色が明るくなるって法則やな
人間もまさにこれや
合成の誤謬
小さなスケールでは利益になるようなことでも大きなスケールでは損になることや
たとえば個人が貯蓄を増やして利益を重視しても個人が貯蓄を増やしたことで経済が停滞して結果として貯蓄を切り崩すといったことやな
引用元: https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1622757662/